仙人酒をご存じですか？

- 誰にでもできるヨーグルトの作り方 -

　仙人酒とは「乳」のことです。ここでは牛乳と考えて、話を進めましょう。なぜ仙人酒と言うのか知りません。勝手な解釈ですが、発酵の結果を酒と言ったとすれば、発酵乳とは、すなわちヨーグルトに他なりません。それなら不老長寿の薬と言っても無理はないかもしれないでしょう？昔の人は大袈裟でした。白髪三千丈とか万丈の山、千尋の谷と言う表現を好みました。ここでは不老長寿を健康長寿と読み替えましょう。

　ヨーグルトの作り方は簡単です。ただ温度管理さえしっかりすれば、ほとんど失敗はありません。特に不潔にしない限り、器具の殺菌も不要です。なにしろ乳酸菌が殺菌効果を発揮しますから。

　種にするヨーグルトは、市販のお気に入りのものを選びます。私はあるブランドのフローズンヨーグルトを種にして、夫婦で毎日牛乳１リットル分のヨーグルトを食べています。薬ではありませんから、効果がすぐ出るものではありませんが、ふと気がつくと、便秘もしないし下すこともありません。どうか皆さんも、快適なお通じで爽快な毎日をお送りください。色気がねぇなぁ...

乳酸菌の生活習慣

　ヨーグルトは牛乳が乳酸菌によって発酵することでできます。ですから乳酸菌の生活習慣を知っていれば、ヨーグルト作りは簡単です。

• 乳酸菌は微生物です。抗生物質や抗菌処理をしたものには弱いです。抗菌処理をした器具を避けましょう。
  
  
• 乳酸菌の餌は乳糖です。乳糖を食べて乳酸を出しますから、原乳を処理して乳糖を除いたものはヨーグルトになりません。必ず成分未調整の表示のある牛乳を選びます。
  
  
• 乳酸菌は生き物ですから環境が整えば増えます。乳酸菌に一番適した環境は、温度が３６度Ｃ以上４２度Ｃ以下で、直射日光の当たらないところです。温度が著しく下がると冬眠し、５０度を超えると死んでしまいます。
  
  
• 乳酸菌は好気性菌です。気密状態では繁殖しません。餌にする牛乳と空気を混ぜるようにしておくと、元気よく増えます。
  
  
• 乳酸菌は、普通約３０数分で分裂します。条件が整っていれば、３時間前後で、できあがります。４時間を目安にするといいでしょう。
  
  
• ヨーグルトになればそれ以上腐りませんし、浮かんだ水は乳清と言って、美味しさと栄養が豊富です。決して捨てずに飲みましょう。

ヨーグルトの作り方

基本の作り方


• 抗菌処理のされていない筒型の容器を洗います。
  ２回目からは洗う必要はありません。
  
  
• 牛乳500ｇ当りスプーン２杯（約40ｇ）ほどの種ヨーグルトを容器に入れます。
  
  
• タネをよくかき混ぜながら、牛乳を約42度Ｃに温めてそそぎます。
  
  
• 蓋をして、直射日光の当たらないところに静かに置いておきます。
  気温が２５度Ｃ以下になるときは、容器をタオルなどで包むか、温湯で湯煎するなどして、
  36〜42度Ｃに保つようにします。
  
  
• とろりとしてくれば食べ頃です。
  ただちに冷蔵庫に入れて冷やし、１週間以内に食べます。
  
  

注意：
途中で衝撃を与えると分離して、食感が落ちます。
空いた容器はそのまま洗わずに次回に使います。

牛乳パックでの作り方


• 新しい牛乳をパックごと湯に入れるなどして約42度Ｃに温めます。
  
  
• パックに種を入れて口を閉じます。
  
  
• パックの口と底をしっかり押さえて２〜３回上下に振り、
  空気と混ぜるようにしてから、静かに保温しておきます。
  
  
• 出来上がったら冷蔵庫に保存し、１週間以内に食べます。
  
  
• 空になった容器には60〜80ｇのヨーグルトが残ります。
  これを次回の種に使います。
  新しい牛乳をパックのまま、またはミルクパンで温めて、
  空になったパックに３分の１ほど移し、
  口と底をしっかり押さえて上下に振ります。
  これを新しいパックに戻して、静かに保温しておきます。
  
  

保温のヒント

●冬はこたつで保温するのもいいです。こたつの無い家では、風呂もいいです。
　風呂を使った最後に、容器をしっかり密閉して
　ジップロックなどで密閉して）湯に浮かせておきます。

●古くて使わなくなった保温ポットも役にたちます。

●ペットボトルを保冷するための発泡スチロールの容器は非常に有効です。

●タオルで包むときは、その上をさらにポリ袋などで覆うと、保温効果が高まります。

もしかして参考になるかしら？

　不要品でヨーグルトの熟成器を作って３年ほど使っています。材料は、下水に使う、直径10センチのエスロンパイプ、30ワットのハンダごての熱源ユニット、空き缶など。温度調節はできませんが、通電時間を調整することで、一年中重宝しています。参考にしていただければ嬉しいです。
　

　３０Ｗのハンダごての熱源ユニットをアルミの板ではさんで、底から３センチのところにセットして熱を輻射させ、２センチ上にアルミ板を置いて対流に変え、さらに２センチ上に牛乳パックを置くという構造です。

2001.3.4 掲載　2002.12.23 移転